受験生時代に私もTACの講座を受講していましたが、テキスト、講師、講座内容、どれも質が高く分かりやすかったです。特に、2次試験対策は、内容と質が充実しているのでオススメです。
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TACの講座に興味のある方に、無料で資料請求や体験講座の受講が可能。試験の概要や勉強の進め方を把握するのにも役立ちます。
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中小企業診断士の難易度や合格率を調べている方の中には、こんな疑問を持っている方が多いのではないでしょうか。
中小企業診断士のストレート合格率は約5% 、1次試験7科目・2次試験4科目という複雑な構造が、多くの受験生を悩ませます。
私は1次試験3回・2次試験2回を経て2022年度に合格した現役の企業内診断士です。5年間の受験経験と、システムエンジニアとして情報系の試験に精通してきた経験をもとに、科目別の難易度・合格率・勉強のポイントをデータと体験談で徹底解説します。
「どの科目が難しいのか」「どこに時間をかけるべきか」が分かれば、効率的な学習計画が立てられます。ぜひ最後まで読んで、受験戦略の参考にしてください。
受験歴5年診断士

中小企業診断士の難易度は、大手予備校などの難易度ランキングでは上から2つめの難易度に分類されることが多いです。最上位の「超難関」が、司法試験・公認会計士・医師・国家公務員総合職などがあげられ、上から2つめの「難関」資格として、税理士・社労士などと同じ難易度に分類されることが多いです。
中小企業診断士の試験は、第1次と第2次試験があり1次試験に合格すると2次試験を受験することができます。試験の大まかな流れは以下のとおりです。
経済学・経済政策、財務会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策の7科目のマークシートの試験。
4つの事例企業(組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計)に対する診断と助言に関する記述式の試験。
令和8年度試験より廃止になりました。
2次筆記試験の事例企業に関する質問を口頭で回答する面接試験
実企業に対する診断・助言業務を行う。
中小企業診断士をどのような人が受験しているのか、受験生と診断士取得者の職業や年齢などを別の記事で比較解説しているので、気になる方はこちらも参考にしてください。

1次試験は、選択式のマークシート方式です。基本的に試験時間に余裕はなく、できる問題を確実に素早く回答していくことになります。
試験科目は7科目あり、2日間にわたり試験を行います。
| 科目(1日目) | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 経済学・経済政策 | 60分 | 100点 |
| 財務・会計 | 60分 | 100点 |
| 企業経営理論 | 90分 | 100点 |
| 運営管理 | 90分 | 100点 |
| 科目(2日目) | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 経営法務 | 60分 | 100点 |
| 経営情報システム | 60分 | 100点 |
| 中小企業経営・政策 | 90分 | 100点 |
試験時間は科目により60分と90分のものがあります。1日目の企業経営理論・運営管理と2日目の最後の中小企業経営理論が、試験時間的にも体力的にも山場です。
1次試験の合格基準は、以下の2つの条件を満たす必要があります。
決められた点数以上で合格となる、いわゆる「絶対試験」です。稀に、科目毎で平均点が低すぎる場合は、得点調整(全受験者に加点)されることがあります。
2つめの条件はいわゆる足切りで、たとえ総得点が60%以上取れていたとしても、1科目でも40%以下の科目があると不合格となります。
1次試験に合格すると2次試験を受験することができます。1次試験を合格した年の2次試験が不合格だった場合、翌年度の1次試験は免除となり2次試験のみ受験することになります。
1次試験には科目合格の制度があります。
科目合格した科目は、翌年度と翌々年度に1次試験を受ける場合、申請すると科目免除することが可能です。免除申請をしなかった場合は、科目免除にならないので注意が必要です。
仮に1科目免除した場合、600点満点で総得点が360点以上で1次試験合格となります。

1次試験が不合格だった場合の話ですが
翌年度に必ずしも科目免除する必要はありません。1次試験の合格基準は総得点の60%なので、得意科目は得点源として受験するのもありです。
私は1次試験を3回受験していますが、職業柄で経営情報システムは得点源だったので毎回受験しました。
ただし、後述の合格率の章でも記載しますが、各科目で毎年難易度が変わり、高難易度の地雷科目となることがあります。
なお、科目免除は特定の資格を保有していることで免除可能な科目もあるので、試験要項をご確認願います。
2次試験は筆記試験と口述試験に分かれます。筆記試験に合格すると口述試験を受けることができます。
| 科目 | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 事例Ⅰ 組織・人事 | 80分 | 100点 |
| 事例Ⅱ マーケティング・流通 | 80分 | 100点 |
| 事例Ⅲ 生産・技術 | 80分 | 100点 |
| 事例Ⅳ 財務・会計 | 80分 | 100点 |
筆記試験は4つの事例問題があり、それぞれ出題される事例企業に対する問題・課題の分析、経営に関する助言を記述式で回答する試験です。1次試験同様、時間に余裕のない試験です。
口述試験は、試験官と対面で、筆記試験の事例企業の内容に関する問題・課題や助言を質問され口頭で答えるという、面談形式の試験です。
2次筆記試験の合格基準は、以下の2つの条件を満たす必要があります。
1次試験と同じ条件で、見た目上は「絶対試験」です。
しかし、例年の合格率が一定であることから「相対試験」と言われています。その理由は、詳細な配点と回答が公表されないためです。
1次試験は回答と配点が公表されるので、自分が何点だったかが明確に分かります(マークミスさえなければ)。
2次試験は配点と回答が公表されない、かつ記述試験なので自己採点が不可です。配点や採点基準はその年の全受験者の回答次第で決まっていると推察されています(皆の出来が良い→採点が厳しい、皆の出来が悪い→採点が甘い)。

中小企業診断士試験が難しいと言われるのが、この2次筆記試験にあります。多くの受験者が自分の手応えと結果に解離があり、なぜ受かったのかよく分からないという人が多くいます。私もその一人。。。
そのため、2次試験の参考書選びは重要で、合格者の再現答案をまとめた解説集や、多くの合格者の回答を分析した大手予備校の過去問解説集が人気です。
筆記に受かると最後に口述試験です。
合格基準は上記の通りですが、受験すればほぼ間違いなく受かる試験です。合格率の章でも解説しますが、落ちるのは毎年数人です。受験しなかった人がいると思われるので、受験さえすれば受かると言われています。
ただ、試験内容は、2次筆記試験の事例企業の内容に関して口頭で答える(筆記試験の問題文を少し変えたような質問を試験官にされる)もので、内容もヘビーかつ緊張もするので、私の中では二度と受けたくない試験です。
中小企業診断士試験で簡単な科目はありませんが、過去7年間の平均合格率を比較してみます。
| 科目 | 平均合格率(過去7年) | 最低 / 最高 |
|---|---|---|
| 経済学 | 19.2% | 11% / 26% |
| 財務会計 | 14.2% | 7% / 22% |
| 企業経営理論 | 21.3% | 7% / 40% |
| 運営管理 | 18.3% | 9% / 27% |
| 経営法務 | 15.1% | 5% / 27% |
| 経営情報システム | 17.6% | 11% / 29% |
| 中小企業経営・政策 | 12.7% | 6% / 23% |
最も平均合格率が低い科目は「中小企業経営・政策」です。反対に最も高いのは「企業経営理論」になります。
ただし、過去7年間の最低合格率と最高合格率を見て分かるように、年度によって合格率は大きく変わります。企業経営理論も過去に合格率7%の年もあるので、決して簡単な科目というわけではないので注意してください。
平均合格率の低い、中小企業経営・政策や財務会計、経営法務は、毎年難しい傾向にあり、多くの受験生を苦しめている科目です。
中小企業診断士試験の科目別の難易度として、科目ごとの合格率の傾向を見ていきます。
まず、直近6年の1次試験と2次試験の合格率です。
| 年度 | 1次試験 | 2次試験 |
|---|---|---|
| 2024年度(R6) | 27.5% | 18.9% |
| 2023年(R5) | 29.6% | 18.9% |
| 2022年(R4) | 28.9% | 18.7% |
| 2021年(R3) | 36.4% | 18.3% |
| 2020年(R2) | 42.5% | 18.4% |
| 2019年(R1) | 30.2% | 18.3% |
ストレート合格(受験1年目の同年度内に合格)する確率は約5%ほどです。(1次試験合格率×2次試験合格率)
ただ、1次試験合格者と2次試験受験者の数が異なる(1次試験免除者がいる)ため、実際のストレート合格率はもっと低くなります。
また、2次試験の合格率は、ここ10年ほど18%~20%でほぼ一定です。絶対試験では合格率を毎年ほぼ一定に保つことは不可能に近いため相対試験だと言われています。
直近8年間の各科目合格率と試験の内容を紹介します。
見ていただくと分かりますが、各科目の合格率は毎年変化が激しいです。合格率が低い=難化と、合格率が高い=易化を繰り返します。
予備校やネット上では次年度の難易度予想が良くされます。私も受験生の時によく検索してました。しかし、難化・易化予想は無意味なので調べるのはやめましょう。時間の無駄です。
なぜなら、難化しようが易化しようが試験内容・試験範囲は変わらないので、勉強する内容に変わりはありません。次年度が易化予想だから勉強しなくて良いには絶対になりません。
そして、この難化・易化予想はたいてい外れます。診断協会は斜め上を行きます。それよりも、最新の出題傾向や新しい論点、法律の変更点などをチェックする方がはるかに有効です。
平均合格率:18.6%(直近8年)
2次試験との関連:無関連
マクロ経済学、ミクロ経済学の内容が出題されます。証券アナリスト試験や公認会計士試験の経済学と比べると難易度は低くなります。中小企業診断士試験では計算問題はほとんど出ません(微分の公式が出るくらい)。グラフを見て解く問題が多く出題されるのも特徴です。


平均合格率:13.3%(直近8年)
2次試験との関連:事例Ⅳ
多くの受験生が苦手とする科目。
主に、会計と財務の分野から出題されます。計算問題が多く、計算スピードと慣れが必要です(1次試験は電卓不可!)。2次試験の事例Ⅳにも出題される内容のため応用力が求められます。暗記だけでは難しく、過去問や計算問題集での学習が必須となります。


平均合格率:20.8%(直近8年)
2次試験との関連:事例Ⅰ/Ⅱ
経営戦略論、組織論、マーケティング論など企業経営の基本となる分野で、管理職や経営企画などの職の方には馴染みが深い内容で、企業経営の分析や事業戦略など幅広い知識が問われます。基本的に暗記科目ですが、中身を理解していないと回答できない問題が多く、出題文章に独特の言い回しやクセがあるので、過去問を繰り返し解く必要があります。


平均合格率:17.9%(直近8年)
2次試験との関連:事例Ⅱ/Ⅲ
多くの受験生が勉強していて一番楽しい科目。
企業経営の現場で必要となる、生産管理や店舗・販売管理の知識が問われます。2次試験でも出題される内容なので、具体的な現場をイメージした深い理解と応用力が求められます。


平均合格率:15.5%(直近8年)
2次試験との関連:無関連
多くの受験生が苦手意識を持ち、モチベーションの上がらない科目。
主に、企業経営に関する法律や知的財産権に関する分野から出題されます。暗記科目ですが法律の専門用語が多く、多くの受験生が苦手意識を持ちます。
経営法務では、法律の改正があるとその内容を問う問題が高確率で出題されます。そして出題1年目はとても簡単な問題であることが多いです。そのため、テキストは必ず最新年度のものを利用するようにしましょう。

2018年度の試験は超難問で、史上最多の8点の得点調整(全受験者に8点を加点)がありました。得点調整した合格率が5.1%なのでいかに難しかったかが分かります。

平均合格率:18.8%(直近8年)
2次試験との関連:事例Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ
IT系の企業以外の人には取っつき難い科目。
企業経営で必要な情報システムや情報セキュリティに関して出題されます。近年、情報システム・情報セキュリティは企業にとっても欠かせないものとなっており、2次試験でも関連した内容が出題されることがあります。
情報系は技術進歩やトレンドが早いので、できるだけ最新の情報を入手しておく必要があります。ITパスポート試験なども内容としては参考になります。
IT系企業やシステムエンジニアの人は、得意科目として得点源とする方も多くいますが、IT技術の進歩が早いのに合わせてか、出題傾向や難易度の波が荒い科目です。油断していると足元をすくわれるので、最新の傾向把握や過去問学習は必須です。


平均合格率:15.1%(直近8年)
2次試験との関連:無関連
その名の通り中小企業の経営や政策について、中小企業白書の内容や中小企業の実態、統計情報が問われる暗記科目です。
毎年、試験の前年度の「中小企業白書」の内容から出題されることから、必ず最新のテキストを用いた学習が必要です。


2次試験は、筆記試験で下記の4科目ありますが科目合格の制度はないため、科目別の合格率は公開されていません。
2次試験の全体の合格率の推移です。

キレイに18〜19%台の合格率が続いています。実質の相対評価と言われており、受験者全体の上位18%ほどが合格することになります。
そのため、2次試験のセオリーは、簡単な問題(皆が正解する可能性がある問題)は必ず正解することです。自分が難しい問題は、皆も難しく正解率も低いです。満点を狙う試験ではないので、解ける問題、簡単な問題で確実に得点を重ねることが最重要です。
時間配分や解答順がとても大切になってきます。
組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:企業経営理論
製造業やサービス業など様々な業種が事例企業として出題されます。
組織構造や人事面での問題・課題に関する出題が多くされ、他の事例と比べ現状分析の問題が多く、助言問題は少ない傾向にあります。
マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:企業経営理論、運営管理
製造業・小売業・サービス業など様々な業種が事例企業として出題されます。
主な課題は売上の向上で、売上向上につながるマーケティング策を助言する形が多く出題されます。事例企業は小規模の場合が多く、協業や地域密着もテーマとなることが多くなります。
生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:運営管理
過去ほとんどが製造業を対象に、経営戦略や生産管理に関する問題・課題分析、その対策の助言に関して出題されます。
事例企業は中小企業なので、受注生産である場合がほとんどで、技術力は高いが生産の現場で何かしらの問題を抱えている、というパターンが多いです。
財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:財務・会計
とにかく計算問題が多く、1問あたりの計算量の多いので時間配分を考えないと確実に時間切れになってしまいます。
計算問題では、設問間の繋がりがあるものもあり、例えば、以下のように計算間違いをすると、後続の問題も間違えるという結果になります。
計算過程を記述させる出題もあるので、部分点をもらえることもあるようです。ただし、計算結果のみを記述する問題もあり、計算ミスは大幅な失点になります。
また、最後の設問は、問題本文と関連が薄い知識問題が出題されることが多いので、これを落とすとかなり痛いです。100点は目指さず自分のできる問題を確実に解答することが重要です。
試験官(2~3名)と対面での面談試験です。
内容は、2次筆記試験の事例企業の内容について、課題や助言を問われます。筆記試験の問題に似た質問がされますが、その場で口頭で答える必要があり、ヒアリング力と瞬発力が問われます。
口述試験単体の合格率は99%を越えており、ほとんどの受験生が合格します(不合格者は受験しなかった人くらいと思われます)。
分からないことは「分かりません」、聞き取れなかったら「もう一度お願いします」と素直に言って大丈夫です。質問に対する回答内容に関わらず、普通に会話できれば合格する試験です(回答が採点されていたら、私は間違いなく不合格)。
私の口述試験はダメダメでしたが体験談を別記事にまとめているので、よければ参考にしてください。

中小企業診断士の難しさは「難関資格」の一言で語られることが多いですが、具体的に他の資格と比べてどの程度なのかを整理します。難易度の全体感を把握することで、必要な勉強量と覚悟が明確になります。
大手予備校(TAC・LEC等)の難易度ランキングでは、資格を概ね以下の4段階に分類しています。
| ランク | 主な資格 |
|---|---|
| 超難関 | 司法試験、公認会計士、医師国家試験、国家公務員総合職 |
| 難関 | 中小企業診断士、税理士、社会保険労務士、不動産鑑定士 |
| 普通〜やや難 | 行政書士、FP1級、宅地建物取引士、日商簿記1級 |
| 比較的易しい | FP2級、ITパスポート、日商簿記2級 |
中小企業診断士は「難関」ランクに位置し、税理士・社労士と同格の扱いを受けることが多いです。偏差値で表すと62〜65程度とされています。「超難関」の公認会計士・司法試験には及ばないものの、一般的なビジネス系資格の中では最上位クラスの難しさです。
他の難関資格と、試験構造・合格率・勉強時間の3点で比較します。
| 資格 | 合格率 | 必要勉強時間 |
|---|---|---|
| 公認会計士 | 約7〜9% | 約3,500時間 科目数が多く、論文式あり |
| 税理士 | 約15〜20% | 約3,000時間 科目ごとに受験可・長期戦になりやすい |
| 社会保険労務士 | 約6〜7% | 約800時間 合格率は低いが出題範囲は比較的絞られる |
| 中小企業診断士 | 約5% ※ストレート | 約800〜1,000時間 1次7科目+2次記述式の二段階試験 |
| 行政書士 | 約10〜13% | 約600〜800時間 法律系の暗記が中心 |
| FP1級 | 約10〜15% | 約600時間 知識の幅が広いが記述式なし |
| 宅地建物取引士 | 約15〜17% | 約400時間 出題範囲が絞られており独学向き |
中小企業診断士のストレート合格率(約5%)は社労士より低い数字に見えますが、社労士は1年1回・一発合格が必要なのに対し、中小企業診断士は科目合格制と複数年受験戦略が使える点が大きく異なります。複数年かけて確実に合格を積み重ねられる点では、制度上の難易度は緩和されています。
税理士との比較では、税理士が科目別に年単位で積み上げていく「長距離走」であるのに対し、中小企業診断士は1次・2次を突破する「2段階のハードル」という違いがあります。どちらが難しいかは受験者のバックグラウンドによりますが、勉強時間の総量は税理士の方が多くなります。
必要な勉強時間はあくまで目安です。人によってバックグラウンドが異なるので必要な勉強時間は異なります。
「中小企業診断士に合格するまでどれくらいかかるの?」という疑問は、受験を検討している方が最初に気になるポイントの1つです。ここでは統計データと、5年かけて合格した筆者の体験談の両面から解説します。
中小企業診断士協会の登録者アンケートによると、合格者の受験回数の分布は以下のとおりです。
| 受験回数 | 割合の目安 |
|---|---|
| 1回 (ストレート合格) | 約20〜25% |
| 2〜3回 | 約40〜45% |
| 4〜5回 | 約20〜25% |
| 6回以上 | 約10〜15% |
ストレート合格者は全体の2〜3割程度で、多くの合格者が2〜3回の受験を経て合格しています。特に2次試験は「1次合格後に2次で2回落ちると、1次からやり直し」というルールがあるため、複数年にわたる受験者も少なくありません。
一方で、予備校・通信講座を活用し、最初から戦略的に学習計画を立てた受験生ほどストレートや2回での合格率が高い傾向があります。
参考になるか分かりませんが、私の受験歴を公開しますが、結果的に1次試験の科目免除期間をフルで使って合格することができました。
| 年度 | 勉強法 | 結果 |
|---|---|---|
| 2018年(H30) | 1次試験:TAC(通学) | 1次試験:不合格 (科目合格:経済、情報、中小企業) |
| 2019年(R1) | 1次試験:独学 | 1次試験:不合格 (科目合格:企業経営) |
| 2020年(R2) | 1次試験:独学 | コロナ感染で未受験 |
| 2021年(R3) | 1次試験:独学 2次試験:TAC(通信講座) | 1次試験:合格 2次試験:不合格 |
| 2022年(R4) | 2次試験:独学 | 2次筆記試験:合格 2次口述試験:合格 |
5年かかった最大の原因は、「やる気に火がつくのが遅く、最初の2〜3年は効率の悪い勉強をしていた」ことです。具体的には以下の点が反省点です。
合格するまでの期間は人それぞれですが、「過去問中心のアウトプット学習を早期に始めること」と「2次試験の独特な解答作法を早めに理解すること」 が、合格年数を短縮する最大のポイントだと振り返っています。
大手予備校TACのデータによると、中小企業診断士に合格するために必要な総勉強時間は約800〜1,000時間とされています。
ただし、これはゼロベースから始めた場合の目安です。業務経験や保有資格によって必要時間は大きく変わります。
| バックグラウンド | 目安の勉強時間 |
|---|---|
| 経営・財務・IT業務の経験あり | 600〜800時間 |
| 一般的なビジネスパーソン(目安) | 800〜1,000時間 |
| 経営・財務系の知識がほとんどない | 1,000〜1,200時間以上 |
1日2時間の学習を継続した場合、約1〜1.5年で到達できる計算です。ただし、2次試験対策を含めると、1次合格後にさらに数百時間の上乗せが必要です。
各科目の難易度・出題範囲・2次試験との関連を踏まえ、筆者の経験をベースにした1次試験の科目別勉強時間の目安を示します。
| 科目 | 勉強時間/難易度 | 2次試験 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 財務・会計 | 150〜200時間 | 事例Ⅳ | 計算力が必要・最も時間をかけるべき科目 |
| 企業経営理論 | 120〜150時間 | 事例Ⅰ・Ⅱ | 暗記+応用が必要・2次直結で重要 |
| 運営管理 | 100〜130時間 | 事例Ⅱ・Ⅲ | 現場イメージを持ちながら学習する |
| 経済学・経済政策 | 100〜120時間 | なし | グラフ問題の慣れが重要 |
| 経営法務 | 100〜120時間 | なし | 専門用語の暗記。最新テキスト必須 |
| 経営情報システム | 80〜100時間 | 事例I〜Ⅲ | IT経験者は時間短縮できる |
| 中小企業経営・政策 | 80〜100時間 | なし | 試験直前期に集中して学ぶのが効率的 |
計算問題が多く1次試験の電卓使用不可・2次試験にも直結するため、他科目と比べて習得に時間がかかります。「財務・会計で失敗して不合格」という受験生が最も多いので、学習初期から優先的に取り組むことを強く推奨します。
科目の学習順番に唯一の正解はありませんが、以下の考え方が一般的です。
【推奨する学習順番】
| 優先度① | 企業経営理論 財務・会計 運営管理 ※2次試験直結の科目の優先度が高い |
|---|---|
| 優先度② | 経済学・経済政策 経営情報システム 経営法務 ※2次試験と関連の低い暗記科目 |
| 優先度③ | 中小企業経営・政策 ※2次試験と関連の低い暗記科目 |
この難しい試験を、独学で突破できるのか。受験を検討している方なら、誰もが一度は考える疑問です。
結論から言うと、「1次試験は独学も十分可能、2次試験は通信講座や予備校の活用が有効」 というのが私の見解です。
独学とするか、予備校・通信講座を受講するか、選ぶ基準としてそれぞれのメリット・デメリットと向いている人を比較します。
| 学習スタイル | 向いている人 |
|---|---|
| 独学 | 自身で学習管理ができる、費用を抑えたい方 費用が最小限。自分のペースで進められる 学習計画・教材選びはすべて自己判断 2次試験対策の方向性を誤りやすい |
| 予備校・通信講座 | 費用より確実性を重視する方・自己管理が苦手な方 講師への質問・添削・仲間との切磋琢磨ができる 体系的なカリキュラムで学べる 費用が高い(20〜30万円台) |
| 科目別講座の受講 | 自己管理は不安だが、費用は抑えたい方 苦手科目のみ受講が可能 費用を抑えられる(1科目:1~3万円) 全体の学習計画は自身で必要 |
個人的な考えですが、
1次試験は、通信講座か独学で十分対応可能です。暗記中心のマークシート試験なので、市販教材+過去問演習で合格できます。
2次試験は、予備校・通信講座の活用をおすすめします。 解答が公表されない記述式試験で、「合格答案の型」を掴むのが合格への最短経路です。スタディング・アガルート・クレアールなどの通信講座は5〜10万円台で受講でき、費用対効果が高いです。
私が実務補修で出会った診断士の方に直接聞いた肌感覚では、実務補修の1グループ(6人)に1~2人くらいだったので、完全な独学は20%~30%ほどの印象です。
予備校・通信講座の受講を考えている方に、どれを受講すればよいか費用別に3つ紹介します。
| 講座名 | 特徴 |
|---|---|
| TAC 通学・通信 | 業界最大手で合格実績が豊富 体系的なカリキュラムと自習室が強み 費用:20~30万円 |
| アガルート 通信 | 2次試験の合格実績が豊富 添削サポートが手厚い 合格特典(全額返金)あり 費用:10~20万円 |
| スタディング 通信 | 最安値クラス スキマ時間活用に最適 費用:5~8万円 |
苦手な科目に絞って科目別の講座受講も可能です。費用を安く抑えたいという方は、科目別講座の受講も効果的なので検討をおすすめします。
社会人が働きながら合格するためのおすすめ予備校・通信講座の詳細は別記事でまとめているので、こちらも参考にしてください。

独学での合格は可能ですが、2次試験は予備校・通信講座の活用をオススメします。
1次試験は7科目の暗記中心のマークシート試験なので、市販テキストと過去問を使った独学でも合格は十分可能です。実際に私の実務補修のグループメンバーには、独学でストレート合格した方が複数いました。
一方、2次試験は解答が公開されない記述式試験で、「何が正解か」の判断が非常に難しいです。独学だと「自分の解答のどこが間違っているか」を客観的に判断できないまま試験を迎えるリスクがあります。TAC・スタディング・アガルートなどの通信講座には多くの合格者の再現答案と解説が揃っており、2次試験の突破率を上げるうえで大きな助けになります。
有効です。
科目合格制度を使って苦手科目を少しずつクリアしていく戦略は、社会人が働きながら受験する場合に非常に有効です。
ただし注意点が2つあります。
捨て科目戦略は危険です。ただし「重点科目」と「最低限クリア科目」の優先度を分けることは有効です。
1次試験の合格基準には「1科目でも40%未満があると足切り不合格」というルールがあります。そのため、どの科目も最低40点以上は取れる準備が必要です。完全な捨て科目は足切りリスクを招きます。
ただし、すべての科目を均等に勉強する必要はありません。「財務・会計・企業経営理論・運営管理(2次直結科目)」に学習時間の60〜70%を集中し、2次試験に関連しない「経営法務・経済学・中小企業経営・政策」は「60点を目指す最低限の学習」にとどめるという配分が、効率的な戦略です。
一概にどちらが難しいとは言えませんが、試験の「難しさの質」が異なります。
税理士は科目ごとに受験でき、合格科目を積み上げていく方式です。1科目ずつ深く掘り下げる学習が必要で、専門知識の深さが問われます。合格まで5〜10年かかる方も珍しくなく、総勉強時間は3,000時間を超えます。
中小企業診断士は1次7科目+2次記述式の二段階で、1次は幅広い知識の「広さ」、2次は実際の経営課題への「応用力と記述力」が問われます。合格まで1,000時間程度が目安で、試験の総量は税理士より少ないですが、2次試験は「正解が公表されない」という独特の難しさがあります。
「会計・税務のプロを目指したい」なら税理士、「経営全般の幅広い知識をビジネスに活かしたい」なら中小企業診断士という目的の違いで選ぶのが自然です。
バックグラウンドより「学習継続力」が合否を分ける試験です。
有利に働くバックグラウンドとしては、経営企画・財務・コンサルティング・IT系の職種経験があると、学習の入りやすさが変わります。私自身、システムエンジニアとして「経営情報システム」は得点源にできました。
ただし、最終的に合格できるかどうかを左右するのは、「7科目の広い範囲を長期間継続して学べるか」という学習継続力です。特定の得意分野があっても、苦手な科目をサボり続けると1次試験の足切りにかかります。
「興味のある科目だけ勉強したい」という方には向かない試験ですが、「ビジネス全体を体系的に学びたい」という強い動機がある方は、たとえ初学者でも合格できる試験です。
中小企業診断士の難易度と、科目ごとの合格率・特徴をまとめると次のとおりです。
難しい試験ですが、科目の特性を理解して戦略的に学習すれば、合格への道は必ず開けます。
各科目の具体的な勉強法は以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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