中小企業診断士試験の概要とは!難易度や合格率、必要な勉強時間を徹底解説

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中小企業診断士は、合格率が5%(ストレート合格の場合)ほどの難関試験に位置付けられる国家資格です。

私も合格まで4年間を要しました。。ただ、中には単年ストレートで合格する方も多くいます。私の場合、やる気に火がつくのが遅く、今思えば最初の頃はだらだらと効率の悪い勉強をしていたなと思います。

これから中小企業診断士の試験に挑むかたには、できるだけ効率よく勉強し短期間で合格してほしいと思います。

ここでは、難関と言われる中小企業診断士の試験内容や難易度、例年の合格率を解説したいと思います。また、私の経験を踏まえ必要な勉強時間や、勉強法法も少し紹介したいと思います。

目次

中小企業診断士試験の概要

中小企業診断士の試験は、第1次試験と第2次試験があり1次試験に合格すると2次試験を受験することができます。

STEP
第1次試験(マークシート:7科目)

経済学・経済政策、財務会計、企業経営理論、運営管理、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策の7科目のマークシートの試験。

  • 7科目の合計得点が6割以上で合格(科目別得点が6割以上で科目合格)
  • 科目合格あり(科目免除あり)
  • 科目合格は3年間有効
  • 1次試験合格は2年間有効
STEP
第2次筆記試験(記述式:4科目)

事例企業(組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計)に対する診断と助言に関する記述式の試験。

  • 合計得点が6割以上で合格
  • 科目合格なし
  • 1次試験合格から2年間は1次試験免除
STEP
第2次口述試験(面接)

2次筆記試験の事例企業に関する質問を口頭で回答する面接試験

  • 落ちることはほぼ無い
STEP
実務補修(実習)

実企業に対する診断・助言業務を行う。

第1次試験

1次試験は、選択式のマークシート方式です。基本的に試験時間に余裕はなく、できる問題を確実に回答していくことになります。

試験科目は7科目あり、2日間にわたり試験を行います。

科目(1日目)試験時間配点
経済学・経済政策60分100点
財務・会計60分100点
企業経営理論90分100点
運営管理90分100点
科目(2日目)試験時間配点
経営法務60分100点
経営情報システム60分100点
中小企業経営・政策90分100点

試験時間は科目により60分と90分のものがあります。1日目の企業経営理論・運営管理と2日目の最後の中小企業経営理論が山場です。

1次試験の合格基準

1次試験の合格基準は、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 受験科目の総得点が60%以上であること
  • 1科目の得点で40%未満の科目がないこと

決められた点数以上で合格となる、いわゆる「絶対試験」です。稀に、科目毎で平均点が低すぎる場合は、得点調整(全受験者に加点)されることがあります。

2つめの条件はいわゆる足切りで、たとえ総得点が60%以上取れていたとしても、1科目でも40%以下の科目があると不合格となります。

1次試験に合格すると2次試験を受験することができます。基本的に、1次試験を合格した年の2次試験が不合格だった場合、翌年度の1次試験は免除となり2次試験のみ受験することになります。

1次試験の科目合格と免除制度

1次試験には科目合格の制度があります。

  • 1科目の得点が60%以上であること

科目合格した科目は、翌年度と翌々年度に1次試験を受ける場合、申請すると科目免除することが可能です。免除申請をしなかった場合は、科目免除にならないので注意が必要です。

仮に1科目免除した場合、600点満点で総得点が360点以上で1次試験合格となります。

1次試験が不合格だった場合の話ですが
翌年度に必ずしも科目免除する必要はありません。1次試験の合格基準は総得点の60%なので、得意科目は得点源として受験するのもありです。
私は1次試験を3回受験していますが、職業柄で経営情報システムは得点源だったので毎回受験しました。

ただし、後述の合格率の章でも記載しますが、各科目で毎年難易度が変わり、高難易度の地雷科目となることがあります。私の場合、1次試験合格の年の経営情報システムがそれで、受験した科目の中で最低点という結果でした。

なお、科目免除は特定の資格を保有していることで免除可能な科目もあるので、試験要項をご確認願います。

第2次試験

2次試験は筆記試験と口述試験に分かれます。筆記試験に合格すると口述試験を受けることができます。

科目試験時間配点
事例Ⅰ 組織・人事80分100点
事例Ⅱ マーケティング・流通80分100点
事例Ⅲ 生産・技術80分100点
事例Ⅳ 財務・会計80分100点

筆記試験は4つの事例問題があり、それぞれ出題される事例企業に対する問題・課題の分析、経営に関する助言を記述式で回答する試験です。1次試験同様、まったく時間に余裕のない試験です。

口述試験は、試験官と対面で、筆記試験の事例企業の内容に関する問題・課題や助言を質問され口頭で答えるという、面談形式の試験です。

2次試験(筆記)の合格基準

2次筆記試験の合格基準は、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 受験科目の総得点が60%以上であること
  • 1科目の得点で40%未満の科目がないこと

1次試験と同じ条件で、見た目上は「絶対試験」です。

しかし、例年の合格率が一定であることから「相対試験」と言われています。その理由は、詳細な配点と回答が公表されないためです。

1次試験は回答と配点が公表されるので、自分が何点だったかが明確に分かります(マークミスさえなければ)。

2次試験は配点と回答が公表されない、かつ記述試験なので自己採点が不可です。配点や採点基準はその年の全受験者の回答次第で決まっていると推察されています(皆の出来が良い→採点が厳しい、皆の出来が悪い→採点が甘い)。

中小企業診断士試験が難しいと言われるのが、この2次筆記試験にあります。多くの受験者が自分の手応えと結果に解離があり、なぜ受かったのかよく分からないという人が多くいます。私もその一人。。。

そのため、2次試験の参考書選びは重要で、合格者の再現答案をまとめた解説集や、多くの合格者の回答を分析した大手予備校の過去問解説集が人気です。

2次試験(口述)の合格基準

筆記に受かると最後に口述試験です。

  • 評定が60%以上であること

合格基準は上記の通りですが、受験すればほぼ間違いなく受かる試験です。合格率の章でも解説しますが、落ちるのは毎年数人です。受験しなかった人がいると思われるので、受験さえすれば受かると言われています。

ただ、試験内容は、2次筆記試験の事例企業の内容に関して口頭で答える(筆記試験の問題文を少し変えたような質問を試験官にされる)もので、内容もヘビーかつ緊張もするので、私の中では2度と受けたくない試験です。

難易度と合格率

中小企業診断士の難易度は、大手予備校などの難易度ランキングでは上から2つめの難易度に分類されることが多いです。

最上位の「超難関」が、司法試験・公認会計士・医師・国家公務員総合職などがあげられ、上から2つめの「難関」資格として、税理士・社労士などと同じ難易度に分類されることが多いです。

中小企業診断士試験の合格率

直近5年の1次試験と2次試験の合格率です。

年度1次試験2次試験
2023年(R5)29.6%18.9%
2022年(R4)28.9%18.7%
2021年(R3)36.4%18.3%
2020年(R2)42.5%18.4%
2019年(R1)30.2%18.3%

ストレート合格(受験1年目の同年度内に合格)する確率は約5%ほどです。(1次試験合格率×2次試験合格率)

ただ、1次試験合格者と2次試験受験者の数が異なる(1次試験免除者がいる)ため、実際のストレート合格率はもっと低くなります。

また、2次試験の合格率は、ここ10年ほど18%~20%でほぼ一定です。絶対試験では合格率を毎年ほぼ一定に保つことは不可能に近いため相対試験だと言われています。

【1次試験】科目別の合格率と試験内容

直近6年間の各科目合格率と試験の内容を紹介します。

見ていただくと分かりますが、各科目の合格率は毎年変化が激しいです。合格率が低い=難化と、合格率が高い=易化を繰り返します。

予備校などで次年度の難易度予想が良くされます。私も受験生の時によく検索してました。しかし、難化・易化予想は無意味なので調べるのはやめましょう。時間の無駄です。

なぜなら、難化しようが易化しようが試験内容・試験範囲は変わらないので、勉強する内容に変わりはありません。次年度が易化予想だから勉強しなくて良いには絶対になりません。

そして、この難化・易化予想はたいてい外れます。診断協会は斜め上を行きます。それよりも、最新の出題傾向や新しい論点、法律の変更点などをチェックする方がはるかに有効です。

経済学・経済政策

経済学・経済政策の特徴

平均合格率:20.0%(直近6年)
2次試験との関連:無関連

  • グラフの読み取り問題が多い
  • 計算問題はほとんど出ない

マクロ経済学、ミクロ経済学の内容が出題されます。証券アナリスト試験や公認会計士試験の経済学と比べると難易度は低くなります。中小企業診断士試験では計算問題はほとんど出ません(微分の公式が出るくらい)。グラフを見て解く問題が多く出題されるのも特徴です。

経済学・経済政策 科目合格率
2023年(R5)
13.1%
2022年(R4)
10.5%
2021年(R3)
21.0%
2020年(R2)
23.4%
2019年(R1)
25.7%
2018年(H31)
26.4%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない

財務・会計

財務・会計の特徴

平均合格率:14.1%(直近6年)
2次試験との関連:事例Ⅳ

  • 計算問題が多い
  • 2次試験でも出題されるため応用力が必要

多くの受験生が苦手とする科目。

主に、会計と財務の分野から出題されます。計算問題が多く、計算スピードと慣れが必要です(1次試験は電卓不可!)。二次試験の事例Ⅳにも出題される内容のため応用力が求められます。暗記だけでは難しく、過去問や計算問題集での学習が必須となります。

財務・会計 科目合格率
2023年(R5)
14.3%
2022年(R4)
13.3%
2021年(R3)
22.4%
2020年(R2)
10.8%
2019年(R1)
16.3%
2018年(H31)
7.3%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない

企業経営理論

企業経営理論の特徴

平均合格率:18.2%(直近6年)
2次試験との関連:事例Ⅰ/Ⅱ

  • 暗記科目
  • 単純な用語理解ではなく、深い理論や応用力が必要

経営戦略論、組織論、マーケティング論など企業経営の基本となる分野で、管理職や経営企画などの職の方には馴染みが深い内容で、企業経営の分析や事業戦略など幅広い知識が問われます。基本的に暗記科目ですが、中身を理解していないと回答できない問題が多く、出題文章に独特の言い回しやクセがあるので、過去問を繰り返し解く必要があります。

企業経営理論 科目合格率
2023年(R5)
19.8%
2022年(R4)
17.3%
2021年(R3)
34.7%
2020年(R2)
19.4%
2019年(R1)
10.8%
2018年(H31)
7.1%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない

運営管理

運営管理の特徴

平均合格率:16.9%(直近6年)
2次試験との関連:事例/Ⅲ

  • 暗記科目
  • 2次試験でも出題されるため応用力が必要

多くの受験生が勉強していて一番楽しい科目。

企業経営の現場で必要となる、生産管理や店舗・販売管理の知識が問われます。2次試験でも出題される内容なので、具体的な現場をイメージした深い理解と応用力が求められます。

運営管理 科目合格率
2023年(R5)
8.7%
2022年(R4)
16.1%
2021年(R3)
18.5%
2020年(R2)
9.4%
2019年(R1)
22.8%
2018年(H31)
25.8%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない
  • 令和4年は、没問により得点調整(+2点)がありました

経営法務

経営法務の特徴

平均合格率:15.4%(直近6年)
2次試験との関連:無関連

  • 暗記科目
  • 会社法、知的財産権で出題の約6割を占める

多くの受験生が苦手意識を持ち、モチベーションの上がらない科目。

主に、企業経営に関する法律や知的財産権に関する分野から出題されます。暗記科目ですが法律の専門用語が多く、多くの受験生が苦手意識を持ちます。

経営法務では、法律の改正があるとその内容を問う問題が高確率で出題されます。そして出題1年目はとても簡単な問題であることが多いです。そのため、テキストは必ず最新年度のものを利用するようにしましょう。

経営法務 科目合格率
2023年(R5)
25.6%
2022年(R4)
26.9%
2021年(R3)
12.8%
2020年(R2)
12.0%
2019年(R1)
10.1%
2018年(H31)
5.1%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない
  • 平成31年は、平均点が低かったため得点調整(+8点)がありました

2018年度の試験は超難問で、史上最多の8点の得点調整(全受験者に8点を加点)がありました。得点調整した合格率が5.1%なのでいかに難しかったかが分かります。

経営情報システム

経営情報システムの特徴

平均合格率:19.8%(直近6年)
2次試験との関連:事例Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ

  • 暗記科目
  • 最近のトレンドや最新技術のケアが必要

IT系の企業以外の人には取っつき難い科目。

企業経営で必要な情報システムや情報セキュリティに関して出題されます。近年、情報システム・情報セキュリティは企業にとっても欠かせないものとなっており、2次試験でも関連した内容が出題されることがあります。

情報系は技術進歩やトレンドが早いので、できるだけ最新の情報を入手しておく必要があります。ITパスポート試験なども内容としては参考になります。

IT系企業やシステムエンジニアの人は、得意科目として得点源とする方も多くいますが、IT技術の進歩が早いのに合わせてか、出題傾向や難易度の波が荒い科目です。油断していると足元をすくわれるので、最新の傾向把握や過去問学習は必須です。

経営情報システム 科目合格率
2023年(R5)
11.4%
2022年(R4)
18.5%
2021年(R3)
10.6%
2020年(R2)
28.7%
2019年(R1)
26.6%
2018年(H31)
22.9%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない
  • 令和4年は、没問による得点調整(+4点)がありました

中小企業経営・中小企業政策

経営情報システムの特徴

平均合格率:13.9%(直近6年)
2次試験との関連:無関連

  • 暗記科目
  • 試験の前年度の「中小企業白書」の内容から出題される

その名の通り中小企業の経営や政策について、中小企業白書の内容や中小企業の実態、統計情報が問われる暗記科目です。

毎年、試験の前年度の「中小企業白書」の内容から出題されることから、必ず最新のテキストを用いた学習が必要です。

中小企業経営・中小企業政策 科目合格率
2023年(R5)
20.6%
2022年(R4)
10.9%
2021年(R3)
7.1%
2020年(R2)
16.4%
2019年(R1)
5.6%
2018年(H31)
23.0%
  • 科目合格率に試験合格者は含まない
  • 令和3年は、没問により得点調整(+5点)がありました

【2次試験】合格率と内容

2次試験は、筆記試験で下記の4科目ありますが科目合格の制度はないため、科目別の合格率は公開されていません。

  • 事例Ⅰ:組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
  • 事例Ⅱ:マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
  • 事例Ⅲ:生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
  • 事例Ⅳ:財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例

2次試験の全体の合格率の推移です。

2次試験合格率
2023年(R5)
18.6%
2022年(R4)
18.7%
2021年(R3)
18.3%
2020年(R2)
18.4%
2019年(R1)
18.3%
2018年(H31)
19.4%

キレイに18%台の合格率が続いています。実質の相対評価と言われており、受験者全体の上位18%ほどが合格することになります。

そのため、2次試験のセオリーは、簡単な問題(皆が正解する可能性がある問題)は必ず正解することです。自分が難しい問題は、皆も難しく正解率も低いです。満点を狙う試験ではないので、解ける問題、簡単な問題で確実に得点を重ねることが最重要です。

時間配分や解答順がとても重要になってきます。

事例Ⅰ

事例Ⅰの特徴

組織(人事を含む)を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:企業経営理論

  • 現状の分析・問題・課題に対する設問が多い
  • 企業・経営戦略、組織論、経営管理、人事に関する知識が問われる

製造業やサービス業など様々な業種が事例企業として出題されます。

組織構造や人事面での問題・課題に関する出題が多くされ、他の事例と比べ現状分析の問題が多く、助言問題は少ない傾向にあります。

事例Ⅱ

事例Ⅱの特徴

マーケティング・流通を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:企業経営理論、運営管理

  • 現状の分析・問題・課題に対する設問が多い
  • グラフや図の読み取りを求める問題が出題される
  • 売上向上をテーマに、マーケティング、流通に関する知識が問われる

製造業・小売業・サービス業など様々な業種が事例企業として出題されます。

主な課題は売上の向上で、売上向上につながるマーケティング策を助言する形が多く出題されます。事例企業は小規模の場合が多く、協業や地域密着もテーマとなることが多くなります。

事例Ⅲ

事例Ⅲの特徴

生産・技術を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:運営管理

  • 中小の製造業(ほとんど受注生産)が事例として出題される
  • 経営戦略、生産管理、生産性向上に関する知識が問われる

過去ほとんどが製造業を対象に、経営戦略や生産管理に関する問題・課題分析、その対策の助言に関して出題されます。

事例企業は中小企業なので、受注生産である場合がほとんどで、技術力は高いが生産の現場で何かしらの問題を抱えている、というパターンが多いです。

事例Ⅳ

事例Ⅳの特徴

財務・会計を中心とした経営の戦略および管理に関する事例
1次試験との関連:財務・会計

  • 他の3事例と異なり、計算問題と単純な知識問題のウエイトが高い
  • 主に、経営指標分析、管理会計、ファイナンス、キャッシュフローに関する知識が問われる

とにかく計算問題が多く、1問あたりの計算量の多いので時間配分を考えないと確実に時間切れになってしまいます。

計算問題では、設問間の繋がりがあるものもあり、例えば、以下のように計算間違いをすると、後続の問題も間違えるという結果になります。

  • 1問目:計算過程(CVP分析、正味現在価値など)
  • 2問目:計算結果
  • 3問目:計算結果を踏まえた分析

計算過程を記述させる出題もあるので、部分点をもらえることもあるようです。ただし、計算結果のみを記述する問題もあり、計算ミスは大幅な失点になります。

また、最後の設問は、問題本文と関連が薄い知識問題が出題されることが多いので、これを落とすとかなり痛いです。100点は目指さず自分のできる問題を確実に解答することが重要です。

口述試験

試験官(2~3名)と対面での面談試験です。

内容は、2次筆記試験の事例企業の内容について、課題や助言を問われます。筆記試験の問題に似た質問がされますが、その場で口頭で答える必要があり、ヒアリング力と瞬発力が問われます。

口述試験単体の合格率は99%を越えており、ほとんどの受験生が合格します(不合格者は受験しなかった人くらいと思われます)。

分からないことは「分かりません」、聞き取れなかったら「もう一度お願いします」と素直に言って大丈夫です。質問に対する回答内容に関わらず、普通に会話できれば合格する試験です(回答が採点されていたら、私は間違いなく不合格)。

独学で合格可能か、必要な勉強時間

中小企業診断士の資格取得に必要な勉強時間は、大手予備校のTACのデータによると、約800~1,000時間と言われています。1次試験が7科目と出題範囲が広く、2次試験は記述式の試験となるため相応の勉強時間と準備が必要になります。

他の難関資格と比較すると以下のようになります。

資格勉強時間
公認会計士3,500時間
司法書士3,000時間
税理士3,000時間
中小企業診断士1,000時間
社労士800時間
FP1級600時間
宅建400時間

個人差はありますが、独学で合格は可能です。現に、私が受けた実務補修のメンバに、独学ストレート合格者が数名います。

私は合格まで4年を要していますが、1次試験初年度と2次試験初年度にそれぞれTACに通っていました。

年度勉強法結果
2019年(R1)1次試験:TAC(通学)1次試験:不合格
(科目合格:経済、情報、中小企業)
2020年(R2)1次試験:独学
1次試験:不合格
(科目合格:企業経営)
2021年(R3)1次試験:独学
2次試験:TAC(通信講座)
1次試験:合格
2次試験:不合格
2022年(R4)2次試験:独学2次筆記試験:合格
2次口述試験:合格
私の合格までの受験記録

最初に何から手を付けて良いかまったく分からなかったので、思いきってTACに通学しました。

TACの講座受講は通学のタイプで、社会人になり教室で座学を受けるのが新鮮で楽しかった記憶があります。重要な箇所を体系的に学べ、テキスト・問題集・模試と必要な道具はすべて揃うので、自分で調べる手間が省けます。また、TACの自習室を使えるので勉強場所にも困りませんでした。

ただ、費用が高いため、2年目、3年目は1年目のテキストや問題集をベースに独学をしていました。TACで習った内容をベースに勉強したので、完全な独学という訳ではありませんが。

2次試験の初年度も、同様にTACのお世話になりました。こちらは通信講座で受講。試験によく出題される重要なポイントや、事例問題の解き方や解釈を学ぶことができたので、とても有意義でした。

個人的には、1次試験は暗記が主となるので、自分で学習計画を立てられるのであれば独学でも十分合格は可能と感じます。反対に2次試験は、解き方や過去問の解釈が難しいため、予備校等で先人の知恵を借りるのがベターかと思ってます。

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