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中小企業診断士の年収は1,000万円超え!?なぜ高いか現役診断士が内情を徹底解説

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これから中小企業診断士を目指す方にとって、診断士の年収がどれくらいになるか気になると思います。

ネットで調べると一般的に中小企業診断士の年収は1,000万円以上と出てきます。間違った情報ではないと思いますが、少し誤解があります。

中小企業診断士の資格には独占業務がないため、他の士業や会社勤めの副業として中小企業診断士の活動をしている人が多くいるのが実態です。

そのため一般的に公開されている年収は、診断業務のみで稼いだ金額ではない可能性が高いです。

私も中小企業診断士になって分かりましたが、いきなり診断業務だけで1,000万円を稼ぐのは不可能でした。

この記事では、現役の診断士が中小企業診断士のリアルな年収事情を徹底解説したいと思います。

目次

中小企業診断士の年収調査結果

気になる中小企業診断士の年収ですが、令和3年に中小企業診断士を対象にアンケート調査を行った結果が公表されています。

501~800万円の割合が21.4%と最も多く、簡易的に平均すると998.05万円で約1,000万円となります。

年収割合
300万円以内14.3%
301~400万円8.8%
401~500万円10.0%
501~800万円21.4%
801~1,000万円11.4%
1,001~1,500万円15.4%
1,501~2,000万円6.7%
2,001~2,500万円4.3%
2,501~3,000万円2.8%
3,001万円以上4.8%
中小企業診断協会 令和3年活動状況調査アンケート

また、1,001万円以上の割合を足すと34%となり、約3割が1,000万円以上の年収を得ていることが分かります。

中小企業診断士の年収が高い理由

中小企業診断士の平均年収は1,000万円と、比較的高い水準にありますが、中小企業診断士になれば1,000万円稼げるのかというと、そうではありません。

年収が高い理由を、診断士の内情も踏まえ解説します。

企業内診断士が多い

「企業内診断士」とは、中小企業診断士として独立し診断業務をしているわけではなく、企業に勤めながら診断士として活動している人のことです。

令和3年の中小企業診断士を対象にしたアンケート調査によると、診断業務を本業にしている人は、全体の48.3%、その他企業内診断士が46.4%という結果になっています。

診断士の勤務先回答数(人)構成比(%)
プロコン経営(他資格兼業あり)54028.5
プロコン経営(他資格兼業なし)33117.5
コンサルティング会社等勤務432.3
公務員251.3
公的機関・団体等854.5
調査・研究機関120.6
金融機関1286.8
民間企業(金融機関を除く)62933.2
無職321.7
その他633.3
無回答40.2
中小企業診断協会 令和3年活動状況調査アンケート
  • 診断業務を本業にしている人:プロコン診断士、コンサルティング会社
  • 企業内診断士:公務員、公的機関・団体、調査・研究機関、金融機関、民間企業

ちなみに、試験の受験者統計を見ると会社勤めの人の割合はさらに高く、全受験者数の6割以上が民間企業や金融機関に勤めている人で占めていることが分かります。受験者の大半はサラリーマンです。

受験者の勤務先試験の申込者数
経営コンサルタント自営業395
税理士・公認会計士等自営業624
上記以外の自営業673
経営コンサルタント事業所等勤務604
民間企業勤務15,112
政府系金融機関勤務465
政府系以外の金融機関勤務2,194
中小企業支援機関566
独立行政法人・公益法人等勤務294
公務員854
研究・教育137
学生684
その他(無職を含む)2,176
合計24,778
中小企業診断協会 令和4年第1次試験

つまり、診断業務と関係ない会社に勤めながら中小企業診断士の活動をしている人が約半分いることになります。

私も、診断業務と関係ない会社に勤めていますが、これまでに出会った診断士の方の多くが同じような会社勤めでした。

そして、これは私の主観ですが、勤めている会社に大手企業が多い印象です。大手重工業・機械メーカー・食品メーカー・外資系コンサル・新聞社・銀行・電力会社・エネルギー関連・薬剤師などなど、多岐な職種にわたります。

もともと、ある程度年収が高い人が中小企業診断士の資格を取得しているのが、中小企業診断士の年収が高い傾向になる1つの理由だと思います。

平均年齢が高い

中小企業診断士の年収が高いもう1つの理由が、平均年齢の高さです。

登録している診断士の中で50代が31.3%と最も多く、50歳代以上の人が約7割40歳代以上になると9割以上を占めます。

年齢層構成比(%)
20歳台以下0.4
30歳代7.1
40歳代22.4
50歳代31.3
60歳代26.1
70歳以上12.5
無回答0.4
中小企業診断協会 令和3年活動状況調査アンケート

前述の通り半数が会社勤めなので、勤めている会社である程度の地位にいる方が中小企業診断士の資格を取得しているため、年収が高くなる傾向にあることが分かります。

年齢層が高い理由としては、中小企業診断士の業務が中小企業の経営診断になるため、業界知識や経営に関する経験が必要になってきます。そのため、ある程度キャリアを積んだ人の方が有利な面が多くあります。

また、これまで会社勤めで身に付けた専門的な知識を活かし、第二のキャリアとして活躍したいと考えている人も多くいます。

50代で診断士の資格を取り、会社を辞めて診断士として活動するという方も多くいるので、診断士の平均年齢が高くなるのただと思います。

ちなみに、主要な士業の資格合格者の平均年齢を比較してみました。中小企業診断士は上から4番目です。

資格合格者の平均年齢
司法試験26.9歳
公認会計士25.8歳
税理士33.1歳
弁理士34.7歳
司法書士41.5歳
行政書士41.3歳
社会保険労務士42.5歳
土地家屋調査士39.3歳
不動産鑑定士34.3歳
中小企業診断士40.9歳
令和6年の各試験統計より平均値を算出

独占業務のある司法試験や公認会計士、税理士、弁理士は合格者の年齢が若い傾向にあります。

司法書士・行政書士・社労士の平均年齢が高いのは、中小企業診断士と同様に経験が必要なのと、ダブルライセンスやセカンドキャリアとして取得する人が多いためと思います。

なお、この中で独占業務がないのは中小企業診断士だけです。

第二のキャリアとして資格取得する人が多い

前述の通りですが、会社勤めの人がその経験を活かして中小企業診断士としてセカンドキャリアを目指す方が多くいます。

私がこれまでに出会った診断士の方々も自信のこれまでのキャリアを強みとした診断士活動をされています。

  • 大手重工業メーカー勤務 ⇒製造業を強み
  • 広告代理店勤務 ⇒マーケティングや販促を強み
  • 新聞社の編集部長 ⇒文書作成を強み
  • IT企業勤務 ⇒企業のIT化やセキュリティ対策を強み
  • 銀行員 ⇒財務を強み

診断対象となる中小企業は様々な業種・業界があるので、これまでの長い会社勤めで得たスキルを活かしやすい資格と感じています。

中小企業診断士は稼げるのか

中小企業診断士の平均年収が高い理由が、平均年齢が高く会社勤めの人が多いためということが分かりましたが、中小企業診断士だけで1,000万円以上稼ぐことはできないのかというと、実際に診断士のみで独立開業し活躍されている診断士の方も多くいます。

ただ、実際に私も診断士になり感じていますが、すぐに多く稼ぐことは難しいです。

まず、中小企業診断士には独占業務がないため、顧客となる中小企業の信頼を得てお仕事ももらう必要があります。診断士になったばかりの何の実績もない人に、会社の経営診断を任せたいと考える企業はいません。

では、診断士になったばかりはどうすれば良いかというと、

  • 国や自治体から仕事をもらう
  • 商工会議所や先輩診断士から仕事をもらう

国や自治体から診断士派遣やセミナー、相談会などの募集があるので、これに応募・参加することで報酬を得ることができます。商工会議所などでも同様のお仕事をもらうことが可能です。

また、先輩診断士から仕事をもらうこともあります。診断士になると多くは各地域の支部に所属することになるのですが、その中で診断士通しの交流会や研究会が多く開かれています。

横の繋がりを広げていくことも診断士として活躍するためには必要になってきます。

中小企業診断士の年収事情まとめ

中小企業診断士の年収は約1,000万円ですが、実情としては会社勤めの企業内診断士が約半数を占めるため、イコール診断士としての稼ぎではありません。

中小企業診断士のみの稼ぎがどれくらいかは、データがなく個人の活動範囲により大きく差がある印象です。

会社勤めで得た専門スキルを強みに活動ができるのが中小企業診断士の特徴なので、自信のスキルを活かして稼ぐことができるのではないかと思います。

これから中小企業診断士を目指したいと考えている人に診断士試験の概要や勉強法について、別記事でまとめているので参考にしてください。

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