[企業経営]組織構造の覚えるべき6つのポイント

組織構造の設計原理

専門化の原則

  • 分業化と同じ意味で、特定の業務ごとに役割が分割された状態のこと

特定業務の知識や能力の習熟が行えノウハウの蓄積が可能となる。

権限責任一致の原則

  • 各組織のメンバに与えられる権限の大きさが職務に相応し、それと同じ責任が負わされなければならないというもの

統制範囲の原則

  • 1人の上司が指揮監督できる部下の人数のこと

部下の人数が管理の幅を超えると、管理効率が低下する。

統制範囲が狭い(改造型) ・意思決定が遅い
・専門職向き
統制範囲が広い(フラット型) ・中間者のストレスが大きくなる
・単純作業向き

命令統一性の原則

  • 組織のメンバは1人の上司からのみ命令を受けること

例外の原則

  • 経営者は、ルーティン業務の処理を下位レベルの者に委ね、例外的な業務(戦略的意思決定や非定型的意思決定)に専念する
定型的意思決定 決まった手順により行うことができる業務的意思決定
非定型的意思決定 結果が不確定で、既存の手順に頼ることができない戦略的意思決定

定型的意思決定に忙殺され、非定型的意思決定が後回しになることを、計画におけるグレシャムの法則と呼ぶ。

組織構造

機能別組織

  • 個々の機能(人事、営業、製造、開発、経理、財務など)単位の組織
メリット ・専門性の発揮
・規模の経済が発揮される
・トップに権限が集中することで、トップへ情報集約される
デメリット ・意思決定に遅れが出る
・組織内の人事交流が停滞する
・マネジメント層が育ちにくい
・各部門ごとの利益責任が不明確

事業部制組織

  • 事業部(製品・サービス・地域・顧客ごと)単位の組織
メリット ・トップが戦略的意思決定に専念できる
・意思決定が早い
・マネジメント層の育成が比較的容易
・市場変化に柔軟な対応ができる
・M&Aしやすい
デメリット ・職能が各事業部で重複する
・事業部単位での利益追求にこだわり視野が狭くなる
・事業部間の競争によるセクショナリズムが起きやすい

カンパニー制

  • 事業部制組織の独立採算制をさらに高め、独立した企業に近い組織
メリット ・事業単位の収益性が徹底される
デメリット ・本社のコントロールが効かなくなる
・事業間シナジーの追求が難しい
・事業再編が難しい

マトリックス制

  • 横断型(格子型)の組織で機能別組織と事業部制組織のいいとこ取り
メリット ・人的資源の共有が容易
・情報共有が迅速に行える
・環境の不確実性に対応し易い
デメリット ・ワンマンツーボスシステムとなり組織内コンフリクトが起き易い
・命令統一性の原則に反し、責任の所在が不明確となる

組織のライフサイクル

組織の起業から成熟までの過程を4つ段階に分類する。

創業期 起業者段階
成長前期 共同体段階
成長後期 公式化段階
成熟期 精巧化段階

起業者段階

  • 創始者の創造性や革新性が重視され、管理活動は軽視される

共同体段階

  • インフォーマル非公式なコミュニケーションが中心となる

公式化段階

  • 労務、経理、人事などさまざまな規則が導入され、組織が官僚的になる

精巧化段階

  • 組織の分割、プロジェクトチーム作成など柔軟性を高める

官僚制組織

  • 職務が高度に専門化され効率を追求した組織構造
  • 規則の徹底
  • 専門化、分業化の徹底
  • ピラミッド構造の形成
  • 文書による記録と伝達の徹底

官僚制の逆機能

  • 規則の徹底が求められることで、職務遂行に対する主体性が低くなるなどデメリットが生じること
  • 規則遷守による個人の判断力の硬直化
  • 規則を守ることが目標となる
  • 顧客目線の低下
  • 個人的成長の阻害
  • 革新の阻害

ベンチャー企業の関門

ベンチャー企業が直面する3つ(川、谷、海の順)の関門。

  1. デビルリバー(魔の川)
  2. デスバレー(死の谷)
  3. ダーウィンの海

デビルリバー

  • 基礎研究→実用化 の段階で発生する関門

基礎研究を市場のニーズに沿った実用化に結び付けられるかどうかという関門。

デスバレー

  • 実用化→事業化 の段階で発生する関門

実用化された製品に対し、資金や人材などの資源不足になり直面する関門。

ダーウィンの海

  • 事業化後 の段階で発生する関門

事業化後に市場で激しい競争に晒される関門。

戦略的な組織変革

組織変革の基本的なプロセスについて。

組織学習

組織の発展は、安定した漸次的進化過程と別の段階に飛躍する革新的変革過程が交互に組み合わさる

漸次的進化過程 ・安定した段階で継続的な改善、積み重ねを行う
・低次学習
革新的変革過程 ・組織が別の段階に移行する不連続な変化をする
・高次学習
低次学習 既存の枠組みの中で行う修正、活動(シングルループ学習)
高次学習 組織全体に影響を与える、既存の枠組みを超えた学習(ダブルループ学習)

組織変革の阻害要因

組織変革が必要にも関わらず行えない理由として、以下のような要因があげられる。

  • 変革には埋没コストが発生するため
  • 変革の必要性を認識できないため
  • 業績が悪化しても継続しようとする強い力が働くため

埋没コスト

  • 変革をする場合には、現状にとどまる限り発生しない埋没コストが発生し、この埋没コストが変革への抵抗要因となる

埋没コストとは、既に投資したにも関わらず回収不能なコストのこと。サンクコストとも呼ばれる。 ある新規事業に1,000万円の設備投資をしたが、赤字続きのためこの事業を中止した場合、設備投資の1,000万円は回収不能となり埋没コストとなる。この埋没コストに囚われすぎると、誤った意思決定をしてしまうことになる。

変革の必要性の認識不足

  • 既存のビジネスに関係のない情報は排除される傾向にある

既存のビジネスが満足のいく利益を得ている場合、今より優れたものへの探求や情報収集は疎かになる。

事業継続への強い力

  • 業績が悪化しても、狭視点的な思考により変革が妨げられる

以下のような狭視点的な考えが働き変革の妨げとなる。

  • 失敗を認める心理的コストが上昇する
  • 埋没コストの発生を恐れ、次は勝てると思い込む
  • 経験豊富なものを選択する
  • 重要な情報を過小評価してしまう

組織変革の遂行

  • 組織変革の遂行には、「必要性の認識」「変革案の創造」「変革の実施と定着のプロセスが必要となる

必要性の認識

よりリッチな情報、つまり現場の生の情報を経営者が認識する必要がある。

変革案の創造

革新的なアイディアを組織で共有する必要がある。

  • 各メンバーで情報の冗長性を持つ。
  • 暗黙知を組織的に共有する。
  • 新たな形式知を創造する。
暗黙知 文字や言葉で表現できない主観的な考えノウハウといった知識
形式知 文書や言葉で表現可能な客観的な知識

変革の実施と定着

変革に伴う組織内の争いへの対処が必要となる。