![[企業経営]組織行動論の覚えるべき重要理論](https://chushoshindanshi.com/wp-content/uploads/2020/04/BC8AC103-DC41-4A44-BD4B-A7501BC58020-300x200.jpeg)
モチベーション理論
- 個人を行動に駆り立てるのは何かに関する理論
内容理論 | 何によって動機付けられるか |
---|---|
過程理論 | どのように動機づけられるのか |
内発的動機づけ理論 | 自分自身の内部からの動機づけ |
内容理論
人は何によって動機付けられるかを示した理論。
マズローの欲求段階説
- 人間の持つ欲求を、低次から高次に5段階に分けたもの
高次 ↑ 低次 |
自己実現の欲求 | 自己の向上を図りたい |
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尊重の欲求 | 他社から尊敬されたい | |
所属と愛の欲求 (社会的欲求) |
集団に適合し充足した状況を求める | |
安全の欲求 | 安定した状況を求める | |
生理的欲求 | 本能的な欲求 |
低次から高次にかけて不可逆的であるのが特徴。高次の欲求を満たすためには、低次において改善が必要とされる。
アルダファーのERG理論
- マズローの欲求段階説の拡張版
Existence | 基本的な存在の欲求 |
---|---|
Relatednss | 人間関係にかかわる関係の欲求 |
Growth | 人間らしく生きたい成長の欲求 |
マズローの欲求段階説との違いは、アルダファーのERG理論は可逆的であり、同時に存在することとされている。
アージリスの未成熟=成熟理論
- 個人の人格は、未成熟から成熟へ向かおうとする欲求を満たすことで変化するというもの
自己実現欲求を満たすためには職務拡大(ジョブエンラージメント)や感受性訓練が必要とされている。
職務拡大(ジョブエンラージメント):仕事の範囲拡大(量的)
マグレガーのX理論・Y理論
- X理論に基づく人間は低次の欲求しか持たないが、高次欲求を満たすにはY理論に基づく人間観で動機付けが必要とされる
X理論 | ・人間はもともと仕事が嫌い ・人間は管理されないと能力を発揮しない ・命令されることを好む ・責任は持ちたくない |
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Y理論 | ・人間はもともと仕事が嫌いというわけではない ・人間は掲げた目標を達成することで得られる報酬によって献身的に働く ・条件次第で自ら責任を持つ |
Y理論に基づく動機付けとして、MBO(目標管理制度)、権限委譲、職務拡大が有効とされる。
ハーズバーグの動機づけ=衛生理論
- 高次欲求を満たすためには、職務に対する動機づけが必要であるという理論
動機付けの方法としては、職務充実(ジョブエンリッチメント)があげられる。
職務充実(ジョブエンリッチメント):仕事の責任・権限の拡大(質的)
過程理論
人はどのように動機づけられるのかを示した理論。
強化説 | 適切な報酬を適宜受け取ることで動機づけられる |
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公平説 | 報酬を他人と比較し、主観的な公平・不公平感で動機づけられる |
期待理論 | 期待×優位性=動機づけの強さ |
内発的動機づけ理論
- 明白な報酬や業績のないものに対し、自分自身の内部から動機づけをするという理論
具体的には以下のようなものがあげられる。
- 仕事の楽しさ
- 仕事から得られる満足感
- 自己決定の有無
また、以下の5つの特性がある場合、内発的動機づけられやすいとされる。
- 技能多様性:スキルに富んでいる
- タスク完結性:多くの業務に関わっている
- タスク重要性:業務の社内インパクトが大きい
- 自律性:自分なりに工夫している
- フィードバック:業務の満足感が得られる
集団のダイナミクス
集団力学、グループダイナミクスとも呼ばれ、人が複数人集まった集団では、そこならではの力学が発生するため、組織運営においてそれらを理解する必要がある。
集団の凝集性
- 集団の団結の度合い
以下の度合いが高いと集団の凝集性は高まる。
- メンバー間の距離が物理的に近い
- メンバー間の同質性が高い(性別、年齢、学歴、職能など)
- 依存関係がある
- コミュニケーション、ネットワークが発達している
- 研修や行事など、メンバーの帰属意識を高める場が多い
集団浅慮(グループシンク)
- 集団で意思決定すると、短絡的な決定となる現象
集団の凝集性が高いと発生しやすく、自集団に対する過剰評価、閉鎖的な発想、内部の圧力が影響する。
グループシフト | 結論が極端なものとなる |
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リスキーシフト | 結論が極端にリスクの高いものとなる |
集団浅慮が悪い方向に働いた例として、以下があげられる。
- 太平洋戦争(旧日本軍)
- ベトナム戦争
- NASAのスペースシャトル「チャレンジャー号」事故
アーヴィング・ジャニス(1918年〜1990年)
イェール大学の実験心理学者
グループシンクの研究者。
コンフリクト(葛藤)
- 個人内、個人間、組織内、組織間で発生する、目標や行動の違いによる対立や葛藤のこと
否定的な意味合いでとらえられるが、組織の活性化や新しい価値の創造に貢献するとされ、積極的な活用が必要。コンフリクトは以下のような場合に発生する。
- 資源配分で合意されない(予算の取り合い等)場合
- 個人や組織が力を働かせようとした場合
- 共通の目標が定まっていない場合
- 相互依存関係にある場合
- 業務の不確実性が高い場合
リーダーシップ論
リーダーシップとは、経営目的を達成するために、周りの人々に影響力を及ぼすこと、とされる。リーダーシップとマネジメントはよく似ているが、機能としては、リーダーシップは「変革を推し進める機能」、マネジメントは「効率的に組織運営する機能」とされる。
ジョン・コッター(1947年〜)
ハーバード大学ビジネススクール名誉教授
リーダーシップ論の権威として世界的に知られる人物。著書に「パワー・イン・マネジメント」「ザ・ゼネラル・マネジャー」などなど120カ国語以上に翻訳されている。
リーダーシップの行動類型論
リーダーの行動パターンから類型化を図り、合理的に優れたリーダーシップを探る理論。
アイオワ研究(レビンのリーダーシップ類型論)
- リーダーシップを3つの類型に分類し、民主型リーダーシップが最も優れるとしている
リーダーシップを以下の3つの類型に分類する。
民主型リーダーシップ | 集団で討議し決定する。リーダーはそれを支援する。 |
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独裁型リーダーシップ | リーダーが全てを決定する。 |
放任型リーダーシップ | 個人が自由に決定する。 |
オハイオ研究
- リーダーの行動を構造造りと配慮の2タイプに分類し、構造造りと配慮の双方に関心の高いリーダーが優れるとする
リーダーシップの行動を、以下の2つのカテゴリーに分類する。
構造造り(タスク) | 目標に向けた部下との役割定義 |
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配慮(人) | 部下への気配り、尊重 |
ミシガン研究
- リーダーシップを、従業員志向型と生産志向型に分類し、従業員志向型のリーダーが好ましいとしている
リーダーシップ行動として、以下の2つに分類した。
従業員志向型 | 部下との人間関係を重視する。 |
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生産志向型 | 仕事の技術やタスクを重視する。 |
PM理論
- 「P(Performance) 目標達成機能」と「M(Maintenance) 集団維持機能」の2つに分類しP・M共に機能が強いリーダが理想的なリーダーシップであるとするもの
日本の社会心理学者である三偶二不二らによって提唱されたリーダーシップ論。グループダイナミクスの観点からリーダーシップを考えたもの。
P(performance) | 目標達成機能、タスク型 |
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M(maintenance) | 集団維持機能、配慮(人間関係)型 |
リーダーシップのコンティンジェンシー理論
リーダーの置かれている状況により、有効なリーダーの行動スタイルを探るの理論。
フィードラー理論
- 統制のしやすさで考え、リーダーの取るべきスタイルとして仕事中心型か従業員中心型の2タイプを定義している
スタイル | 統制のしやすさ |
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仕事中心型(機械的) | 極端な場合(統制がしやすい or しにくい)に効果的である |
従業員中心型(有機的) | 曖昧な場合(統制のしやすさが中程度)に効果的である |
リーダの置かれている状況(統制のしやすさ)として、リーダーとの人間関係が良好か、仕事内容が明確か、リーダーの権限の強さの3つの要因でとらえている。
フィードラー理論は、自らのスタイルを変えないリーダーを前提としている。
パス・ゴール理論
- リーダーは必要な道筋を示し、目標達成を助けることとしている
パス・ゴール理論は、自らのスタイルを状況に応じて変えることができるとしている。
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