中小企業診断士試験の一次試験(企業経営理論)によく出る、チャネルに関する用語をまとめてみました。(ここに記載した内容以外にも、出題論点はあるので参考までに。)
毎年、数問出題される頻出論点です。
企業経営理論全般に言える話ですが、用語の暗記だけでは解答が難しく、より深い理解が求められます。また、問題文に抽象的な表現が多いので、ある程度の慣れが必要です。
過去問を繰り返し解き、問題文に慣れ、知識の定着と応用力を高めるようにしましょう。
事例Ⅰ/Ⅱ/Ⅲで、チャネルに関する課題が扱われる可能性があります。
直接用語が問われることはありませんが、チャネルの知識を前提とした診断・助言を問われます。
代表的なチャネル政策
チャネルとは、売り手の企業から消費者へ商品が届くまでに介在する企業(卸売、小売など)の構造のこと
チャネルの設計として重要なことは、
- 売り手の商品を効率的に市場に届けることができるか
- 市場から効率的に情報収集できるか
開放的チャネル政策
生産者が幅広くチャネルを網羅し、多くの消費者に製品を供給する政策
販売窓口が広くなり量販に向くが、販売努力など販売店の協力は少なくなる。
例えば、日用品などの最寄品に多くとられる政策。
選択的チャネル政策
生産者がチャネルの幅をある程度限定する政策
販売努力など販売店の協力を得られる。
例えば、化粧品、家電製品、時計、スーツなどに多くとられる政策。
専門的チャネル政策
生産者がチャネルの幅を特定の流通業者に限定する政策
ブランドイメージの維持、アフターサービスを充実させることができるが、消費者の認知度が低下する恐れがある。
例えば、自動車、ガソリンスタンド、高級ブランド品に多くとられる政策。
チャネル関連用語
チャネルの長さ
チャネルに介在する企業の数のこと
企業の数が多いと 「チャネルが長い」 という。
例えば、
- 生産者→消費者
- 生産者→小売業→消費者
- 生産者→卸売業→小売業→消費者
チャネルの幅
チャネルの市場網羅性のこと
垂直的マーケティングシステム(VMS)
メーカーから小売業までの計画的に構築され管理される流通システム
チャネル全体のリーダー企業をチャネルキャプテンと呼ぶ。チャネルメンバーの収益性とチャネル運営の効率化を目的とする。
企業型VMS
メーカー、卸売、小売の流通が1企業(1つの資本)で構築されたもの
メーカーが独自の販売網を作り管理しているもの。
契約型VMS
チャネルの各段階で異なる企業同士が契約により構築されたもの
フランチャイズチェーンやボランタリーチェーンがこれにあたる。
管理型VMS
チャネルキャプテンにより、契約という形をとらずにチャネルの緩やかな統合を図るもの
例えば、アスクルのような事業形態。
フランチャイズチェーン
契約型VMSの一種で、フランチャイザーとフランチャイジーが契約し事業を行うこと
フランチャイズチェーンの特徴は以下の通り。
- 主催側のフランチャイザー が、商標の使用権をフランチャイジーに与える
- フランチャイザーは、フランチャイジーに経営指導を行う
- 参加側のフランチャイジーは、フランチャイザーへ加盟料やロイヤリティを支払う
フランチャイザーのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
少ない経営資源で店舗拡大ができる | 品質のバラツキが出る恐れがある |
フランチャイジーのメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
事業への参入が容易 | 制約が多い |
ボランタリーチェーン
契約型VMSの一種で、多数の同業者で、仕入れ、在庫、販売を共同で行うもの。それぞれの独立性は保つ
事業拡大のスピードから、フランチャイズチェーンの方式をとる事業社の方が多い。
リテールサポート
メーカーと小売業者間で、販売情報の提供や販売戦略の支援などを行うこと
メーカーの販売促進や小売業者からのフィードバックを得ることができる。
延期・投機
- 延期:受注生産型
- 投機:見込生産型
延機-投機の理論は、バックリンにより体系化された理論。
サプライチェーンマネジメント(SCM)
調達、生産、物流、販売のサプライチェーンを企業間でマネジメントするシステムのこと
サプライチェーンの全体最適を目的とする。
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