![[企業経営]試験によく出る!規模の経済と範囲の経済の違い](https://chushoshindanshi.com/wp-content/uploads/2020/04/CBD411A4-E360-4D49-B34F-6A636E189427-300x200.jpeg)
目次
規模の経済と範囲の経済の違い
規模の経済 | 大量生産によるコスト削減 |
---|---|
範囲の経済 | 事業の多角化によるコスト削減 |
規模の経済
- 企業の規模や生産量の増大に従い、製品1個当たりの平均コストが逓減すること
同じものを大量生産することで、生産コストへの投資以上の生産量を得られる。
規模の経済が働く業界では、新規参入企業は初期から大量生産する大規模な生産体制が必要で、初期コストが掛かるため大きなリスクとなり、参入障壁となる。
また、規模の経済が働く業界 → 差別化が難しい → 低価格競争 → 規模の経済を求めるという流れになる。規模=シェアの拡大を図るために、合併などによる業界の再編がなされることになる。
範囲の経済
- 複数の製品や事業をそれぞれ別の企業が生産提供するより、同一企業で行う方がコスト削減が可能なこと
異なる製品で原材料・生産設備の共有や管理の一元化により、コストを削減できる。事業の多角化のメリットとしてあげられる。
具体的な例としては、
- Amazon:書籍のネット販売→総合ECサイト(物流・販売システムなど社内資産の流用)
- セブン&アイ:小売→メーカ、金融(コンビニ店舗を共有)
シナジー効果
- 複数の事業を展開することで、Aの事業がBに良い効果をもたらし、Bの事業もAに良い効果をもたらすこと
シナジー効果(相乗効果)の例として、鉄道会社の百貨店経営があげられる。(西武鉄道+西武百貨店など)鉄道会社が百貨店を運営することで得られるメリットとして
- 百貨店の利益が得られる
- 百貨店の利用客が鉄道を利用する(平日の通勤客だけでなく、土日の利用客増が見込める)
同様に、鉄道会社によるレジャー施設の経営や、不動産開発もシナジー効果を狙ったものとなる。
経験曲線効果
- 累積生産量の増加に従い、単位あたりの生産コストが逓減するとこ
製品の累積生産量が増えるに従い、経験による作業者の熟練、工程や設備の改善により製品1個当たりの生産コストを一定の割合で下げることができる。
- 規模の経済と引っ掛けでよく出題される
- 規模の経済は、ある時(導入期など)に大規模な生産体制を築くことで実現できるため静的なもの
- 経験曲線効果は時間軸(累積生産量)に従い実現されるため動的なもの
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