企業経営理論に頻出の◯◯戦略まとめ

中小企業診断士試験の企業経営理論によく出る、◯◯戦略をまとめました。

競争戦略

マイケル・ポーターの5つの競争要因に対する基本戦略となるもの。

  • 差別化戦略
  • コストリーダーシップ戦略
  • 集中戦略
  • 競争地位別戦略

差別化戦略

  • 競争企業に対し、価格以外の優位性・独自性を打ち出す戦略

製品の品質・性能・デザイン、アフターサービスな充実・店舗数、広告・宣伝による知名度の向上・企業イメージの向上など

コストリーダーシップ戦略

  • 競争企業よりも低いコストで生産する戦略

規模の経済や経験曲線効果を得てより低コストで生産を行う。低価格で販売するわけではない。

集中戦略

  • 市場を細分化し、特定のターゲットに対し優位性を得る戦略

特定のセグメントに対し、差別化、低コスト化により優位性を確保する。

競争地位別戦略

  • 市場占有率に基づき、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4つの競争地位に分類し、それぞれに分類された企業が取るべき戦略を示したもの

リーダー

業界内で最大市場シェアの企業。リーダーが取るべき基本戦略として、以下の4つがあげられる。

周辺需要拡大 その業界の市場、ターゲット層を拡大する戦略。

周辺需要が拡大し市場が大きくなると、市場シェアの最も高いリーダー企業が最も儲かる。
同質化 チャレンジャー企業の差別化戦略に対し、模倣・追随し差別化を無効にする戦略。
非価格対応 低価格競争が起きると、最も利益が減少するのが市場シェアの高いリーダー企業となるため、リーダー企業は価格競争を極力行わない。
最適シェアの維持 市場シェアが高くなりすぎると、独占禁止法に抵触する恐れがあり、また、コストと利益のバランスを考えた市場シェアの維持が必要となる。

チャレンジャー

リーダーに挑戦し市場シェアの拡大を狙う企業。チャレンジャーの取るべき基本戦略としては、リーダとの差別化がある。

リーダとの差別化 リーダー企業が取れないような思い切った高価格・低価格による差別化や独自性のある製品の開発など。

フォロワー

リーダーに挑戦せず、現状維持をする企業。フォロワーの取るべき基本戦略として、リーダーに追随がある。

リーダーに追随 あえて勝負はせずにマーケットの拡大で利益を得る。

ニッチャー

リーダー企業が参入していない分野に資源を集中させる企業。ニッチャーの取るべき基本戦略として、ミニリーダー政策がある。

ミニリーダー政策 ある特定の市場分野でのリーダー戦略を行う。市場を拡大しすぎると、経営資源豊富な大手企業に参入され収益性をが急激に悪化する。

成長戦略

ある企業の事業ドメインについて、製品と市場の二つの軸で既存か新規で4つにパターン化された戦略モデル。(アンゾフの成長ベクトル)

製品(技術)
既存 新規
市場 既存 市場浸透 新製品開拓
新規 新市場 多角化

市場浸透戦略

  • 既存市場に既存製品を投入する戦略

宣伝広告により市場シェア拡大を目指す。

新市場開拓戦略

  • 新市場に既存製品を投入する戦略

新しい顧客層や新しい地域などの新規市場に対し、既存製品を投入する。

新製品開拓戦略

  • 既存市場に新規製品を投入する戦略

携帯電話、スマホのモデルチェンジ、自動車のモデルチェンジなど。

多角化戦略

  • 新規市場に新規製品を投入する戦略

多角化戦略を行う目的:

組織スラックの活用 空いてる土地や人的資源などのスラック(余裕資源)の有効活用。
リスクの分散 ある事業の業績悪化を他の事業でカバーするポートフォリオ効果を得る。事業間の関連性が低い無関連多角化が前提となる。
シナジーの追求 既存事業とのシナジーを求める。既存事業と共通性の高い関連多角化が前提となる。

イゴール・アンゾフ(1918〜2002) ロシア生まれのアメリカの経営学者(カーネギー工科大学)
軍事用語であった「戦略」という言葉を初めて経営用語として使ったと言われている。

製品戦略

基本的な製品のライフサイクルは、「導入期 > 成長期 > 成熟期 > 衰退期」を考慮した戦略。

計画的陳腐化

  • 製品のモデルチェンジを頻繁に行い、消費者に新製品を提供していく戦略

既存製品が衰退期を迎える前から新製品を市場に投入し、意図的にライフサイクルを短くする。

例)携帯電話、スマートフォン、テレビなどの電化製品。

ライフサイクル・エクステンション

  • 製品寿命を伸ばしロングセラー化を狙う戦略

製品の修正や市場ポジショニングの修正、マーケティングミックスの修正を行う。

例)ビール、清涼飲料水、カップヌードル、など

スキミングプライス戦略

  • 新製品の価格を高価格に設定し、成長期で徐々に価格を下げる戦略

初期段階から確実な利益が見込め、開発費の早期回収が可能。

ペネトレーションプライス戦略

  • 新製品の価格を低価格に設定し、価格差異で圧倒的市場シェアを獲得しようという戦略

市場シェアの獲得により、規模の経済が発揮されコストダウンが可能となり、さらなる低価格による競争優位が得られる。市場浸透価格戦略とも呼ばれる。

ブランド戦略

フィリップ・コトラーが提唱する、新たな製品のブランド戦略として、ブランド名が既存か新規か、カテゴリが既存か新規かで4つに分類する戦略。

既存製品 カテゴリ 新規製品 カテゴリ
既存ブランド ライン拡張 ブランド拡張
新ブランド マルチブランド 新ブランド

ライン拡張

  • 成功しているブランド名を使い、新製品を既存製品カテゴリに投入する

既存製品と同一カテゴリに、新たな製品として形・色・フレーバー・機能などが異なるものを投入する。

低コスト、低リスクで可能。カニバリゼーションを起こす危険性がある。

例)

  • アイスのカップ、バー
  • 缶コーヒーのブラック、微糖
  • 頭痛薬の眠くならないタイプ、女性用、子供用

ブランド拡張

  • 成功しているブランド名を使い、新製品を新規製品カテゴリに投入する

例)

  • ホンダ:自動車、バイク、船舶、航空機
  • ダンヒル:喫煙具、衣服
  • 楽天:ECサイト、旅行サイト、クレジットカード、銀行、etc

マルチブランド

  • 新たなブランド名の新製品を既存製品カテゴリに投入する

小売店により多く陳列し売上拡大を狙う、ブランドスイッチする消費者のシェア確保などを目的とする。

例)

  • ネスレのミネラルウォーター:「ペリエ」「ヴィッテル」「コントレックス」など
  • コカコーラのお茶:「爽健美茶」「綾鷹」

新ブランド

  • 新製品を新規製品カテゴリに投入する

プロモーション戦略

プル戦略

  • 広告、パブリシティに重点を置いた戦略

消費財への基本的なプロモーション手法となる。

広告の種類

PLC別分類 ・開拓的広告
PLCの導入期から成長期に実施、新製品の需要を喚起するための広告。
・競争的広告
PLCの成長期から成熟期に実施、製品の品質、性能、価格の優位性を訴えるための広告。
・維持的広告
PLCの成熟期に実施、ブランドイメージを維持するための広告。
マスコマ広告 マス4媒体(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)を用いる広告。
SP広告 マスコミ広告以外の広告。ダイレクトメール、折込チラシ、ネオンなど屋外広告、電車の中吊り、展示会や博覧会など。
ティーザー広告 新商品を一部隠した状態や、情報を小出しにし、消費者の好奇心を煽る広告。iPhoneやプレステなど
アドバトリアル 雑誌などの記事の中に、記事の体をなした広告を折り込む広告のこと。
インフォマーシャル 商品を長時間、紹介する広告。

※PLC:製品ライフサイクル

広告の効果

接触効果 消費者がその広告にどれくらい接触したかを測定する。
視聴率 特定のテレビ番組を見ている世帯数の割合。
広告の到達率(リーチ) 一定期間に広告を1回以上見た人の割合。
累積到達率(GRP) 一定期間に広告を見た人の延べ人数の割合。
接触頻度(フリクエンシー) 一定期間に広告を見た平均回数。
フリクエンシー = GRP / リーチ

パブリシティ

  • 企業や商品がマス媒体に受動的に取り上げられること

企業はニュース素材として、新製品情報、財務情報、人事情報などをニュースレターとして提供する。

パブリシティの特徴

  • 広告費があまりかからない
  • マス媒体が主体的に取り上げるため、信頼性が高い
  • 取り上げられるかどうかはマス媒体次第のため、企業のコントロールが効かない

プッシュ戦略

  • 人的販売、販売促進に重点を置いた戦略

生産財のプロモーション手法に適している。

消費者向け販売促進

  • POP広告
  • 発表会・展示会
  • サンプル提供
  • プレミアム
  • ノベルティ
  • 実演
  • ポイントカード
  • カタログ

流通業者向け販売促進

リベート 卸売業者から流通業者(小売業者)へ現金などで支払われる割戻金のこと

小売業者の仕入れは通常価格で取引がされ、売り手の売上高など条件をクリアすると、販売助成金や販売協力金などの名目で買い手側に払い戻しを行う。
アローアンス 製品の特別な品揃えや広告を行なった販売業者に対し支払われる援助金のこと。
その他 販売業者の経営者や従業員に対して行われる販売店教育や販売店コンテストなどがある。