【運営管理】二次試験にも必須の生産管理の重要用語まとめ

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中小企業診断士試験の一次試験(運営管理)によく出る、生産管理に関する用語をまとめてみました。

ここに記載した内容以外にも、出題論点はあるのと、ここの知識は二次試験の事例Ⅲで必ず問われるので、各用語の内容まで理解しておく必要があります。

中小企業診断士 一次試験

毎年、数問出題される頻出論点で、毎年、同じ用語が問題を変え繰り返し問われることもあります。

中小企業診断士 二次試験

二次試験の事例Ⅲで必須の知識です。

事例Ⅲたは製造業がテーマとなり、事例企業の生産上の問題・課題の指摘や改善策の助言をすることになります。生産管理の基本的な用語を理解していないと、対応が難しくなります。

目次

生産管理の基本用語

生産管理とは、Q(Quality:品質)、C(Cost:原価)、D(Delivery:納期)に関する最適な管理を行うもの

生産性

投入量に対する産出量との比率

[mathjax]

$$生産性=\frac{産出量}{投入量}$$

  • 算出量:生産量、生産金額
  • 投入量:労働量、投資、設備、原材料

PQCDSME

生産管理の目標や評価の指標

以下の7つに着目したもの。

PQCDSME内容
Productivity生産性
Quality品質
Cost原価
Delivery納期
Safety安全性
Morale意欲
Environment(or Ecology)環境性

生産の4M

生産管理でQCDを満たすために運用するもの

生産の4M内容
Material原材料、部品
Machine機械設備
Man作業者
Method作業方法

3S

生産の合理化における基本原則

3S内容
Simplification単純化
(生産の簡略化をし生産効率を向上させる)
Standardization標準化
(作業の容易化、原価低減を行う)
Specialization専門化
(企業の専門性を高める)

5S

職場の管理の前提となる整理、整頓、清掃、清潔、躾のこと

5S内容
整理不必要なものは捨てる
整頓必要なものを直ぐに使えるようにする
清掃きれいにする
清潔整理、整頓、清掃を維持する
ルールを守る

ECRSの原則

工程、作業、動作に対する改善の4原則

二次試験の事例Ⅲで、作業行程に問題がある場合、このECRSの原則で検討・改善策をアプローチすることができます。

ECRSの原則内容
Eliminate排除(なくせないか)
Combine結合(一緒にできないか)
Rearrange交換(順序を変えれないか)
Simplify簡素化(簡単にできないか)

当時受講していた予備校の先生の教えで、「な・い・じゅ・か」と呪文のように覚えました。

5W1Hの原則

改善活動を行うときに用いられる、what何を、whenいつ、who誰が、whereどこで、whyなぜ、howどのように、による問いかけ

二次試験のテクニック的な話で、5W1Hや主語述語をしっかりと意識して回答を作成すると、読みやすい(採点者に伝わりやすい)文章になります。

安全性指標

度数率、年千人率は災害の発生頻度を表し、強度率は発生した災害の大きさを表す

安全性指標内容
度数率労働時間100万時間あたりに発生する死傷者数
$$度数率=\frac{死傷者数}{延べ実労働時間数}\times1,000,000$$
年千人率労働者1,000人あたり1年間に発生する死傷者数
$$年千人率=\frac{年間死傷者数}{平均労働者数}\times1,000$$
強度率労働時間1,000時間あたりの労働損失日数
$$強度率=\frac{延べ労働損失日数}{延べ実労働時間数}\times1,000$$

複数台もち作業

1人または2人以上の作業者が複数台の機械を受け持って行う作業のこと

多行程もち作業と多台もち作業がある。

多工程もち作業

作業者が複数の工程を受け持つ作業のこと

工程ごとの時間のバラツキを柔軟に吸収することが可能。ただし、1人あたりの作業範囲が広くなるため多能工の育成が必要。

  • 多能工:複数の工程を作業可能
  • 単能工:1つの行程しか作業しない

多台もち作業

作業者が工程ごとに複数の機械を受け持って行う作業のとこ

作業者の受け持ち台数が多くなると機械干渉がおき作業効率が低下する。

関連用語

機械干渉

1つの機械のメンテナンスを行なっている間、他の機械の稼働が停止すること。

歩留り

投入された原材料の量に対し、産出された製品の量の割合

$$歩留り(\%)=\frac{製品の量}{原材料量}\times100$$

アパレル業で60%、プラスチック加工業で97%ほどと言われている。不良品の数も含む。

直行率

生産される製品のうち、不良品を除いた製品の比率

手直しを必要としない製品のみを評価するため、歩留まりよりも厳格な評価を行うことができる。

リードタイム

発注されてから納入されるまでの時間。素材が準備されてから完成品になるまでの時間

一般的にリードタイムは、ある工程に着手してから工程が完了するまでの時間とされるが、JIS規格では上記のように定義される。(JIS Z 8141-1206)

生産リードタイム

生産の着手時期から完了時期に至るまでの時間

段取替え

次工程のための準備作業(工具の取替え、機械のメンテナンスなど)のこと

生産工程において、ロットサイズが小さいほど段取替えの回数が増え、生産性が低下する。

段取替え内容
内段取機械を停止して行う
外段取機械を停止しない
シングル段取機械の停止時間が10分未満の内段取

生産形態

生産タイミング生産方法品種
受注生産個別生産
ロット生産
多品種少量
見込生産連続生産
ロット生産
少品種多量

受注生産

顧客が定めた仕様の製品を生産者が生産する形態

注文を受けてから生産開始する形態で、同じものを複数個必要としない大型の製品(造船・家・マンションなど)や企業の基幹システムなどがある。

見込生産

生産者が市場の需要を見越して企画・設計した製品をせし、不特定な顧客を対象として市場に出荷する形態

受注する前に生産し在庫を抱えるため、需要予測の精度向上が重要となる。

個別生産

個々の注文に応じて、その都度1回限りの生産を行う形態

標準化されない製品や生産に多大なコストと時間が掛かるものを生産する形態で、船舶や建造物、専用機械設備など。

ロット生産

品種ごとに生産量をまとめて複数の製品を交互に生産する形態

関連用語

ロットサイズ

1ロットあたりの生産量。ロットサイズが小さくなるほど段取替えの頻度が増える。

連続生産

同一の製品を一定期間続けて生産する形態

生産方法が標準化され、設計変更の少ない製品に適する。日用品、飲料など。

多品種少量生産

多くの品種を少量ずつ生産する形態

個別生産の形態をとることが多い。

  • 中小企業が最も多く採る小回りの効く生産形態
  • 多品種を生産するため、工場内の動きは煩雑となる
  • 製品ごとの受注変動により生産設備に過不足が出る恐れがある

少品種多量生産

少ない品種を大量に生産する形態

ライン生産とも呼ばれ、連続生産の形態をとることが多い。

  • 製品ごとの専用ラインを用いる単純な加工製品に用いる
  • 作業者の作業が少なく生産性が高い
  • 生産リードタイムが短い
  • 単純作業が多いため作業者の高度な育成が困難
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