[運営管理]IE(作業研究)の重要論点まとめ

IE(Industrial Engineering)は、作業研究として以下の体系を構成する。

方法研究 工程分析 工程分析
運搬分析
動作研究
作業測定 稼働分析
時間研究

工程分析

工程図記号などを用いて、工程や工程間の効率性を調査・分析すること。

工程図記号

要素
工程
名称 記号 作業者
加工 加工 作業
運搬 運搬 移動
停滞 貯蔵 手待ち
滞留
検査 数量検査 検査
品質検査

ここに記載している工程図記号は、最低限覚える必要のあるものです。これ以外にも工程図記号はたくさんありますがここでは割愛します。

製品工程分析

  • 生産対象の物を中心に、原材料、部品などが製品化される過程を工程図記号で表して調査・分析する手法

加工が多いほど生産性は高くなる。

作業者工程分析

  • 作業者を中心に、製品化される過程を工程図記号で表して調査・分析する手法

運搬分析

工場で生産する際の物の移動を効率化するための分析。

活性指数

  • 対象品の移動のしやすさを表す指数

移動するための手間(まとめる、起こす、持ち上げる、持って行く)の省かれている数を示すため、値が大きいほど良い。
例)
床バラ置き→0
箱に入れられた状態→1
パレット→2
台車に乗った状態→3
コンベア→4

空運搬分析

人や運搬機器のみ移動させる状態を減らすための分析。
$$空運搬係数=\frac{空移動距離}{物の移動距離}$$
空運搬係数は理想的には0が好ましいが、現実的には2以下にすることが一般的。

マテハン

  • マテリアルハンドリングのことで、物の移動、積み込み、積み下ろし、取り付け、取り外しなど物の取り扱いのこと

動作研究

  • 作業者が行う動作を調査、分析し、最適な作業方法を求めるための手法

このような常に作業方法の改善を心掛けることをモーションマインドという。

サーブリック分析

  • ギルブレスが考案した、手作業を18種の作業に分類し分析する手法

第1類:必要な動作
・手を伸ばす
・つかむ
・運ぶ
・組み合す
・使う
・分解する
・放す
・調べる

第2類:作業を遅らせる動作
・探す
・見出す
・位置決め
・選ぶ
・考える
・前置き

第3類:作業に不必要な動作
・保持
・休む
・避けられない遅れ(故障など)
・避けられる遅れ(寝るなど)

価値を生む動作は、組み合す、使う、分解するのみ。

ギルブレス(F.B.Gilbreth)
1868年〜1924年
アメリカの経営技術士で動作研究の第一人者。第一次大戦中に軍に勤務した際、武器の組み立てを迅速に効率良く行うためにサーブリック分析を考案した。サーブリックはギルブレスの英語綴りを逆読みしたもの。

連合作業分析

  • 人と機械や2人以上の人が共同して作業を行うとき、その共同作業の効率を高めるための手法

人や機械の手待ち、停止のロスである機械干渉を減少させ、効率化を図ることを目的とする。

作業測定

  • 作業または、製造方法の実施効率の評価および標準時間を設定するための手法

稼働分析

  • 稼働率を求めるための手法

$$稼働率=\frac{稼働時間}{総時間}$$

ワークサンプリング

  • 作業者や機械のある瞬間の動作を記録・集計し、各作業の発生割合を統計的に分析する手法
メリット ・記録・集計が容易
・データの整理が容易
・作業者が調査を意識することが少なくデータの信頼性が高い
デメリット ・あくまで統計なので詳細な分析には向かない
・サンプル数が少ないと信頼性が低くなる
作業分類
準備段取作業 作業準備、工具の段取りなど。
主作業 実質的な作業。
付随作業 主作業に付随し規則的に発生。
材料、工具の取り付け、取り外しなど。
作業余裕 主作業を行うための不規則に発生する作業。
機械の調整、掃除、材料の運搬など。
職場余裕 作業管理のために不規則に発生する作業。
打合せ、機械の故障など。
疲労余裕 休憩など。
用達余裕 トイレ、食事、汗拭きなど。

連続観測法

  • 作業内容を継続的に観測する方法

ワークサンプリングと反対に、詳細な分析が可能だが観測やデータの整理が煩雑で、作業者が調査を意識し不正確なデータとなる恐れがある。

時間研究

  • 作業を要素作業または単位作業に分割し、その分割した作業を遂行するのに要する時間を測定する手法

標準時間

  • その仕事に適性を持ち習熟した作業者が、所定の作業条件のもとで、必要な余裕を持ち、正常な作業ペースによって仕事を遂行するために必要とされる時間

標準時間の設定方法として以下がある。

手法 適する作業 精度
ストップウォッチ法 サイクル作業
実績資料法 特注品の生産など個別生産で繰り返しの少ない作業
経験見積法 個別生産で繰り返しの少ない作業
標準時間資料法 共通すら要素作業の多い作業
PTS法 短サイクルで繰り返しの多い作業

ストップウォッチ法

以下の手順で標準時間を算出する。

  1. 観測時間の算出
    →ストップウォッチで作業時間を観測
  2. 正味時間の算出
    →レイティング処理で個人差の修正
  3. 正味時間に余裕時間を加える

$$標準時間=正味時間+余裕時間$$

レイティング
  • 観測時間を基準とする作業時間と比較、評価しレイティング係数正味時間を算出する方法

$$レイティング係数=\frac{基準とする作業ペース}{観測作業ペース}\times100$$
正常なペースを100とする。
レイティング係数>100:作業が速い人
レイティング係数<100:作業が遅い人

正味時間
  • 主体作業、準備段取作業を遂行するために直接必要な時間

$$正味時間=観測時間 \times レイティング係数$$

余裕時間
  • 作業を遂行するために必要と認められる遅れの時間
余裕率
  • 標準時間もしくは正味時間に占める余裕時間の割合

内掛け法:
$$余裕率=\frac{余裕時間}{正味時間+余裕時間}\times100$$
外掛け法:
$$余裕率=\frac{余裕時間}{正味時間}\times100$$

実績資料法

  • 過去の作業日報などの実績資料を基に標準時間を見積もる方法

手間やコストが少ないが、精度が低い。

経験見積法

  • 熟練工などの過去の経験則から標準時間を見積もる方法

主観的な方法のため精度にバラツキが出る。

標準時間資料法

  • 共通的な作業項目ごとに所要時間を資料化し、それらを合計することで標準時間を算出する方法

PTS法

  • 作業をサーブリック分析により微動作ごとに作業時間を合計し標準時間を算出する方法